労務ドクターのカルテ

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    ◆鷲澤労務ドクターカルテ.006◆ 高齢者と社会保障

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      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/5/5━━━━
      『超高齢社会を生き抜くために』
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      はじめに、平成23年度の一般会計予算(92兆4116億円)における社会保障関係費は、他の政策領域が軒並み削減される中、前年度当初比1兆4393億円(5.3%)増の28兆7079億円となっています。国債費等を除いたいわゆる一般歳出(54兆780億円)に占める割合も2年連続で5割を越え、もはや独走の様相を呈しています。
      税収の大幅増が望めず、これまで以上の国債発行もできない状況において、拡大を続ける社会保障を維持するのは、困難なことであり、またこれから高齢者が増え現役世代が高齢者を支える人数が胴上げ→騎馬戦→肩車と変化していく中で社会保障費捻出していくのはより難しい状況になっていくと思われます。
      では、どのようにすれば、この状況を変えていくことができるでしょうか。


      先日見たテレビ番組で、面白いことをビジネスにしている企業がありました。

      紹介はこちら
      高齢者に働く場と生き甲斐を!
      高齢社 会長(創業者)
      上田研二(うえだ・けんじ)氏
      http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20120419.html



      この企業は、高齢者専門の派遣会社を運営しており、派遣登録者の全員が60〜80歳の高齢者です。会長は、「男性の平均寿命が約79歳、女性の平均寿命が86歳という世界一の長寿国の日本。その中で現役を60歳そこそこで引退するのは、あまりにも早すぎる。」という思いから高齢者をお荷物だと考えるのではなく、高齢者だからこそ持っているメリットを生かして、労働力として再雇用する場所を提供しています。

      具体的な高齢者派遣のメリットは何点かあります。


      ]働に対して意欲がある
      ∋纏に対してまじめに取り組む
      8縮鬚里箸の仕事のノウハウを生かすことができる


      ,任垢、昨今、現役世代では労働のし過ぎによるうつ病が急増して問題視されています。うつ病の症状としては業務意欲の低下など無理な労働は体を壊す原因になります。その点、高齢社では週30時間労働を上限として設けています。このように無理のない労働時間を設けることによって、まだまだ現役として社会貢献することができるという意識を持ち、そのこと自体が労働意欲の増進にもつながります。


      次に△任后0豌鷂縮鬚鯊爐い森睥霄圓燭舛蓮∈童柩僂靴討れた企業に対して、現役世代に比べても感謝の気持ちをより多く持っています。自分の必要意義を見出してくれた企業に対して少しでも恩返しをしたいと思い、仕事に対して実直に取り組みます。


      最後にです。現役のときに取得した資格やノウハウなどを生かすことができるので、雇った企業側は即戦力を得られます。また一から人材を育てる必要がなくなるので、研修費や教育費を抑えることができ、コストダウンすることができます。


      現在高齢者の富裕層、中間層、貧困層の割合は2対6対2と言われています。富裕層の方は十分お金もあるので高齢者になってまで働く必要はないのかもしれませんが、中間層、貧困層の高齢者は60歳を過ぎても一定の収入を必要としています。しかし実情としては、65歳以上の高齢者のうち就業している者(高齢就業者)は495万人、就業率(65歳以上人口に占める就業者の割合)は19.4%と2割に届いていません。


      このような事実を踏まえて、先ほど紹介した高齢社のような、高齢者を専門にした派遣会社を国の支援の下、運営することも選択肢のひとつだと思います。
      この派遣会社に登録するためには、年金を何年以上納めていたと基準を設ける、さらに積極的に働く必要のない富裕層では、仕事をせずに年金だけを受け取る方法、または仕事を斡旋してもらい、年金額を少し減らすか(当然、年金額と給料の合計額は年金のみで受け取る額より多くする)を選択できるようにする、などの矛盾の生じない規程を作成する必要があります。



      高齢者は65歳を過ぎたら、年金をもらってゆっくり余生を過ごすという既存の考え方では、これからの日本の社会保障は必ず崩壊します。
      これから増えていく高齢者をお荷物とするのではなく、貴重な労働力の一部として社会に組み込むことによって、日本経済自体も活性化すると思います。そのために高齢者が働きやすい社会を国が先頭に立って作っていくことが重要だと思います。
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      ◆鷲澤労務ドクターカルテ.005◆ 改正派遣法が成立

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        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/4/9━━━
        『マージン率公開義務づけ…』
        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         派遣労働者の保護を目的とした改正労働者派遣法が3月28日午前の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立しました。 派遣料金の不透明さが派遣労働者の低賃金につながっているとして、 派遣会社に手数料割合(マージン率)の公開を義務づけることを柱としています。 同法は公布後、半年以内に施行される予定です。
        ニュースはこちら

        http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120328-OYT1T00454.htm


        上記によると、政府は2008年秋のリーマン・ショック後の「派遣切り」を問題視し、派遣社員の待遇改善のため、派遣会社が派遣料金と賃金の差額の比率をインターネットなどで公開するよう義務づけ、それによって派遣悪徳会社の排除や派遣会社同士を競争させることが目的です。

        確かに、一見手数料割合を公開することによって、派遣で働こうと考えている労働者は他社と比較検討することができ、より手数料割合の少ない派遣会社を選べば、今よりも高収入を望めるかもしれません。
        しかし、この改正案を政府の思惑通りに実現するためにはいくつか留意しなければいけない点があると思います。実際かつて230万人の登録スタッフ数・1,100箇所の支店ネットワークを持ち人材派遣業で最大手だった「グッドウィル・グループ」も備品押し売り問題や二重派遣などの問題により事実上廃業し清算会社へと移行しました。

        このように、派遣においては派遣元、派遣先、労働者と三者の関係性から、通常の企業と社員という関係性より複雑化する傾向にあるため、派遣法においてもより明確な規定と制限が必要だと思われます。私なりに3点ほど考えてみました。


        1. カルテル制度の防止
        2. 多重派遣の取り締まり強化
        3. 手数料割合、その他条件の具体的明示



        1つ目として、カルテル制度の防止があげられます。カルテルとは、企業(事業者)間で価格や生産数量、販売地域などを協定することで、カルテルに参加する企業同士で話し合いなどを行って価格を決定し、不当に利益を上げる価格カルテルや、取引の相手先や取引地域などを予め決定してしまう販路カルテル、また統一した規格を作成したり、特定の品種の製品のみを生産したりする製品制限カルテルなどがあります。

        これらは、独占禁止法によって、禁止されていますが、今回の法律改正により利益を減らしたくない企業は水面下で価格カルテルを組み、手数料割合を高いまま保持する場合も考えられます。
        このようなことをなくすため、国はしっかりと制限し、防止に努めなければならないと思います。



        2つ目として多重派遣の取り締まり強化があげられます。多重派遣とは、派遣労働者が派遣先からさらに別の企業等に派遣されることと、派遣元と派遣先の間に人材紹介業者が複数介在して紹介料などを搾取するケースがあります。
        これらの行為は中間企業による労働利益の搾取につながることや、派遣元・派遣先の企業と労働者に対する責任の所在が不明瞭にもなるため職業安定法第44条で禁止されており、違法行為となっています。
        前述したグッドウィル・グループもこの二重派遣が原因の一つで事実上廃業となりました。派遣先、派遣元、労働者と複雑な関係性の中では責任元が不明瞭になりやすいといえます。

        これから手数料割合を公表していく中で、公表している数字と実態の数字を見分け、取り締まりを強化していく必要もあると思います。



        3つ目として、手数料割合、その他条件の具体的明示があげられます。実際、まだ公開内容はこれからですが、単純に企業への請求額と労働者への支払額のマージン率だけで公開するとなると、これで派遣会社の「良」、「悪」を判断することは、非常に危険だと思います。例えば、社保、雇用保険、労災保険、労災上乗せ保険、有給、休業補償をしっかり付与している手数料割合50%の会社と、何もしていないマージン率20%の会社ではどちらが優良な会社でしょうか?

        手数料割合が低いほうがいいとおっしゃる方々からすれば、「50%の会社より、20%の手数料しかとらない会社のほうが素晴らしい。」となるのでしょう。
        このように、派遣業において、賃金はもちろんのこと、福利厚生など、派遣会社によって待遇がまったく異なってきます。

        国はこのような違いを労働者がはっきりと見極められるように、例えば手数料割合はどこの企業も30パーセントから40パーセントの間で定めるようにし、また賃金の中に通勤費込みか否かを公開するなど、労働条件明示規定をしっかりと設けることが必要です。企業側と労働者側の認識に差異の無い、相互に情報共有しやすい共通の市場アクセスを創設できるように工夫していくべきだと思います。

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        ◆鷲澤労務ドクターカルテ.004◆ 移りゆく社会保障制度

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          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/2/20━━━
             『胴上げ型⇒騎馬戦型⇒肩車型』に
          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          社会保障制度「胴上げ→騎馬戦→肩車へ」
          1月30日、厚生労働省の社会保障審議会人口部会が開催され、日本の将来推計人口が公表されました。

          「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)によりますと、平成22(2010)年の日本の総人口は、同年の国勢調査によれば1 億2,806 万人だったそうですが、この総人口が、平成42(2030)年の1 億1,662 万人を経て、平成60(2048)年には1 億人を割って9,913 万人となり、平成72(2060)年には8,674 万人になると推計されています。

          今の人口の約3分の2に落ち込むとの予測です。
          身近の状況をみても、結婚しない若者、少子化など納得できる数字です。これによって、社会保障制度においても55年では(15−64歳)約11人につき(65歳以上)1人を支える胴上げ型でしたが、現在では、約3人に1人を支える騎馬戦型、平成72(2060)年には約1.3人に1人を支える肩車型になると予想されています。


          ニュースはこちら

          社会保障制度「肩車型」に変化
          http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120131-00000092-san-soci

          これでは今の若者たちが一生懸命働いて、しっかり社会保障費を納めて騎馬戦型で高齢者を支えていても、いざ自分たちが支えられる側になったら、支えてくれる人が少ないので、減額、もしくは出ませんなんてことも十分考えられますよね。


          実際現在の社会保障費は約108兆円にも上ります。統計によると平成37(2025)年には146兆円という試算が出ているので、平成72(2060)年にはもっと増えることでしょう。(ちなみに今の国家予算が約90兆円なので、社会保障だけですでに約18兆円の赤字が出ています)


          では、この問題を見直すためには何を変えていけばよいか。私なりに3つ考えてみました。

          1、 高齢者定義の引き上げ
          2、 女性や高齢者の環境整備による雇用確保
          3、 若者の意識改革


          1つ目として、現在の高齢者の定義(65歳以上)を70歳以上ないしは75歳以上まで引き上げます。現時点で2060年の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳と予想されています。 

          60歳そこそこで定年退職を迎え、社会から引退するのは早い気がします。いまでも元気な高齢者は少なくありません。 今後、医療技術などがさらに進歩すれば、平均寿命が単に延びるたけでなく健康で長生きする人も増えるでしょう。

          仮に、高齢者の線引きを「75歳以上」へと引き上げたらどうなるでしょうか。 
          2060年の高齢者の割合は26.9%にまで下がります。 高齢者から外れる65〜74歳のうち、意欲のある人が職に就けば労働力不足の解消策ともなります。

          高齢者1人を何人の勤労世代で支えればよいのでしょうか。 この“新たな人口区分”で計算し直しますと、日本の未来像は違った姿を現します。 

          団塊世代が75歳以上となる2025年においても「3.5人で1人」と現在のような騎馬戦型社会を維持できます。 2060年は「2.1人で1人」で、肩車型社会は避けられます。



          2つ目として、女性や高齢者に対して働きやすい環境を与え、雇用機会の増大を図ります。女性に対しては、前回のブログでも少しお話しましたが、これから成長分野に当たる介護サービス業においても、女性は重要な労働力になっていきます。

          ただ出産を機に退職したり、育児休業が取りにくいために退職したりと男性に比べどうしても働きにくい環境になっているのは事実ですね。高齢者においても、労働力の低下を理由になかなか再就職にありつけないのが現状です。

          内閣府の「高齢者白書」にも、高齢者こそ地域福祉の担い手として、これまで培ってきた知識、技術、価値観を発揮し、そのような居場所、出番を地域で準備していくべきだと書かれています。

          高齢者をただ単に支えられる世代として考えるのではなく、私たちを導いてくれる存在として考え、女性とともに、雇用の増進を図る必要があると考えます。


          3つ目として、若者の社会や政治に対する意識改革です。私は、以前に比べて学生の政治や社会に対する関心が薄れているように思います。1960年代、学生は学生運動を起こし、社会や政治に対する不平不満を行動に表していました(学生運動を推進するわけではありません)。

          それに対して、今の若者たちは自分の考えていることやこうしたいと思っていることをなかなか行動に表すのが苦手になっていると思います。実際、歴史的な政権交代を生んだ09年8月の衆院選においても、総投票率が70%近くに上りましたが、20歳代の投票率は50%弱とほかの年代に比べても最も低い投票率となっています。

          これから年齢が若いほど、一生涯に社会保障で受け取る額よりも負担する額が上回る世代間格差が出てきます。そのような中で、世代間格差にさらされるという当事者意識を持ち、制度改革を掲げる政治への関心を持ってほしいと思います。また国も政治をもっと身近に感じれるような工夫が必要なのかもしれませんね。



          今野田総理が消費税を上げようと躍起になっていますが、それでは一時的な問題解消にしかならないと思います。5年先ではなくて50年先も実用可能な抜本的な変革が求められていると思います。
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          ◆鷲澤労務ドクターカルテ.003◆ 被災3県、女性就職難浮き彫りに

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            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/2/6━━━
            少子高齢化時代の雇用について
            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            1月23日の記事によると、被災地のうち特に被害の大きかった岩手、宮城、福島3県の昨年11月の失業手当受給者のうち、女性が3万7601人と、男性(2万6631人)の約1・4倍に達することが厚生労働省の調査で分かりました。


            ニュースはこちら

            1、被災3県、
            被災3県、女性就職難浮き彫りに 失業手当、男性の1・4倍
            http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012301001294.html


            この記事でも書いてあるように、震災復興に伴って建設、土木関係など男性が就きやすい仕事は職としてあるようですが、女性に対する求人はまだまだ足りないらしいですね・・・。
            力仕事を女性が行うというのもなかなか酷ですしね・・・。


            この記事については、被災地に限定した記事でしたが、全国的にはどのような職種がこれから求人として増えていくのでしょうか。


            次の記事を見つけました。

            2、日本に広がる、男性不況の波

            http://www.sankeibiz.jp/econome/news/120106/ecd1201060503000-n1.htm
            この記事によると、日本経済はこれから国が誇りとする「ものづくり」から、64歳以上の高齢者2900万人を対象とした介護を中心とするサービス業への転換が進んでいき、その中で中心として働いている女性が今以上に活躍するフィールドが広がっていくと書かれています。


            実際、かつて日本のお家芸だった技術力は世界で群を抜いており、家電メーカーでは、ソニー、パナソニック、日立製作所、自動車メーカーでは、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなど、価格は高いが品質がよく壊れにくいというブランドイメージがありました。

            しかし、昨今の新興国の台頭によって、韓国のLGやサムスンなど品質も良く、価格も安い製品が売り出され、以前ほどの日本の製品に対するブランドイメージの影響力は弱くなってしまったようにも思われます。


            一方、超高齢化社会の日本は、より早い介護を中心としたサービス業の確立が必要であり、女性がその為の重要な人的資源になってくるということを表しています。
            全人口に占める65歳以上の人口割合(高齢化率)は2005年の20.5%から2030年には31.8%、それ以後も伸び続け少子化も相まって2055年には40.5%になるとの試算も厚生労働省から出ています。


            では、これからの少子高齢化社会に向け社会保障などどのような対応によりこれからの生活をよりよくしていくことができるでしょうか?


            私なりに2点ほど考えてみました。


            1、子供が生まれたときに、育児休業を男女平等に取りやすくするなど女性が働きやすくなる環境整備

            2、介護に携わる労働者に対する、雇用流動性の向上や賃金等社会保障面の改善


            1については、女性が昔に比べ働きやすくなったとはいえ、男女の育児休業の取得率を比べてみると、平成22年度の統計で女性83.7パーセント、男性1.38パーセントと未だに大きな開きがあります。
            平成22年には男性の育児休業の取得を見込み、育児介護休業法の改正が行われましたが、今後さらに、子供を育てながら働くことが出来るような環境整備を行い、男女の継続雇用の格差を解消していく必要があると思います。


            2については、介護はこれから重要になっていく職種にも関わらず、賃金が安い、休みがない、重労働などのイメージがあり、求人しても、なかなか雇用を確保できないのが現実です。
            このようなイメージを払拭するために、国をあげて働きやすい環境の整備、賃金の向上などに取り組み、介護業に対するイメージを変える必要があると思います。


            時代の変化に伴い、私たちの労働環境もめまぐるしく変化していきます。今までの慣習にとらわれるのではなく、常に私たちも変化に対応していき、厳しい状況を乗り越えていかなければいけませんね。

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            ◆鷲澤労務ドクターカルテ.002◆ 有期雇用上限5年に=通常国会に法案提出

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              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012/1/12━━━
                 新たな雇用形態・・・≪無期雇用≫
              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
              厚生委労働省の労働政策審議会(厚労省の諮問機関)は26日、契約社員や派遣社員など、期間を定めて契約を結ぶ「有期雇用」の労働者に対し、契約通算期間の上限を「5年」にするとした報告をまとめた。


              厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会は26日、契約社員など期間を定めて働く有期雇用労働者について、通算の契約期間が5年を超え、労働者が希望した場合は、期間の定めのない無期雇用に転換させる新制度を導入することが適当とする報告書をまとめた。

              厚労省はこの報告を踏まえ、来年の通常国会に労働契約法改正案を提出する。


              「有期」は長期間、同じ職場で正社員同様に働いても賃金が抑制され、貧困層を生み出す要因となるなどの問題が指摘されていた。厚労省では、「新制度の導入で、正社員ではないが、安定した雇用への転換が促される」としており、一定の改善を見込んでいる。


              一方で報告書には企業側の意向を重視したとみられる内容も盛り込まれ、いったん離職して一定期間が経過すれば、新制度の5年に対する契約期間の算入がゼロに戻る規定を設けることが適当とした。同一の企業で1年超5年以下勤務した場合では、離職後6か月以上経過すればゼロに戻るとされ、無期を希望する労働者としては転換へのチャンスが遠ざかることになる。


              とあります。
              これに対して皆さんはどう思われますか?


              ー尊欹までの労基法では、1回の契約で働ける年数を原則3年以内と定めていましたが、契約更新を重ねた場合の上限規定がありませんでした。


              契約社員などの非正規社員は増加傾向が続いていて、今では全労働者の3分の1に達しています。


              政府側からすれば、リーマンショック後の不景気によって、長時間同じ企業で働く有期契約労働者の雇い止めが相次いだことから、労働者の権利保護を強化したい考えらしいですが。


              気になる点は2つです。
              1、通算の契約期間が5年を超えたら期間の定めのない契約変えなければならないのなら、企業側は5年を越える前(4年11カ月位)に雇い止めをして、場合によっては退職6ヶ月後経ってから再雇用をするのではないか。


              2、5年有期雇用契約後、正社員という表現ではなく、無期雇用という表現に留まっているということは、正社員と比べてどのような待遇になるのだろうか。


              1に関しては、レイオフのできない日本では有期雇用契約によって雇用の調整が行われているのが現実で、そこを変えないうえで新しい法律を考えても、現実は変わりにくいと思います。


              企業としたら、人件費を上げたくない、雇用保険や厚生年金の費用を負担したくない。国からすれば、厳しい経済状態の中で、少しでも働いて税金を納めてもらいたい。このような関係で企業と政府とのいたちごっこが常に続いている気がします。


              2に関しては、今まで労働者の分類を正社員と有期労働者の二つ分けられていたとしたら、この法律によって、正社員、無期労働者、有期労働者の三種類になるということです。

              これによって、企業の雇用形態はますます複雑化し、今まで起きえなかった問題が生じてくるかもしれません。


              このように、雇用形態の変化、雇用される労働者の年齢変化、それに伴った法律の改定など日々労働環境はめまぐるしく動いています。経営者の方々は、常に親会社、関連会社、労働者などとの良好な関係を築きつつ、リスクヘッジに努めていきましょう。
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              ◆鷲澤労務Drカルテ.001◆ 未払い残業代リスク

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                 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011/12/10━━━
                未払い残業代リスク  『名ばかり管理職』
                ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                管理監督者と名ばかり管理職

                『名ばかり管理職』とはいわゆる「マクドナルド」事件で有名
                になった、形式要件を備えていない管理職のことです。

                『管理監督者』は【労働基準法第41条第2号】によって
                労働時間規制の適用除外となっています。

                『管理監督者』においては、労基法上の時間外割増・休日割増
                の支払いは不要です。
                【ただし、深夜業に係る割増賃金や年次有給休暇の規定は適用されます。】

                しかしこの管理監督者とは、その実態として次の要件に
                当てはまらなければ認められません。マクドナルドの場合
                これらを満たしていなかったと判断されたものです。

                では管理監督者となる要件とは、いったいどのように定義されているのでしょうか?


                /μ各睛董Ω限及び責任について、部下の労務管理(採用・人事考課)
                の権限を有し、さらに企業全体の事業経営に関する重要事項の決定に参画
                していること。

                Macの場合は・・その店長の決定権は関与する1店舗のみの権限とみなされました。

                ⊃μ各睛董Ω限及び責任について、実態として勤務態様や労働時間管理
                において自身での裁量権を持っていること。

                Macの場合は・・実質的に長時間労働を強いられており、自身の裁量
                での労働時間の決定が出来ず「管理監督者」性を否定されました。

                D蟯給与である基本給、役職手当等において、権限及び責任に
                見合った待遇が成されていること。

                これらの要件にあてはまらず『名ばかり管理者』と判断された場合
                、当然に時間外割増賃金が発生します。


                ここで新たな問題が発生します。もし仮に、役職手当を払っていたら、
                ≪既に支払っていた役職手当の意味合いは?≫どうなるのでしょうか?


                ≪管理監督者であるから、残業代を支払わない事が認められる≫という、
                企業側の主旨により支払う役職手当であれば、これらは当然に
                残業代見合いとしてではなく、単なる地位に就いた事による支給と
                考えられます。

                もし判決により『管理監督者』と認められなかったときには、
                企業は時間外・休日の割増の支払いを命じられます。
                その割増金額を算定する基礎にこの『役職手当』も含まれてしまい、
                単価の高い残業代を支払う事になります。

                割増賃金の基礎にならない手当は家族手当・通勤手当・別居手当・
                子女教育手当・臨時に支払われる手当・1ヶ月を超えて支払われる手当・
                住宅手当の7つと決められている為、『役職手当』は割増の基礎に
                含まれてしまいます。

                裁判での判決時には懲罰金となる付加金の支払いが求められます。
                この付加金は支払うべき金額と最高で同額です。
                結果支払額は本来の金額の2倍近くになってしまいますね。
                また、本来支払われるべき期日より遅れて支払われる場合、
                これらに遅延損害金も付きます。

                管理監督者を運用する場合、リスクは大きいといえます。
                実態を見極めてから運用するようにしなければなりませんね。


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